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2025-05-27 17:29:00

9) 柳生心眼流の免許体系1    みな一緒ではない

私たちの流れ、つまり一関総本部、仙台柳心会、拳心会、柳正館は「切紙免許」、「目録免許」、「甲冑免許」、「小具足免許」、「皆伝免許」と一応しております。星国雄宗家からもこの5つは守ってほしいといわれています。つまり星家伝の柳生心眼流兵法はこの5つが正式なものです。見てわかると思うのですが、内容的には柔術・武器術を含めて「甲冑をつけた時の技」と「それ以外の時の技」という2つの教えからなっているということです。

しかし免許の出し方は時代によりかなり異なっています。他流でもそうですが、江戸時代から「切紙」「目録」「皆伝」という三段階の形がよくありました。私がいままで見ていて一番多かったセットは「切紙」「目録」「皆伝」に何巻か法伝の巻物がつくものです。明治以降でもこの形式で出ているものもあります。

「甲冑伝書」や「小具足伝書」などはほとんど出てきません。表題に小具足と書いているのですが、なぜか全く違う内容だったりすることもあります。こういう場合、流儀内の人間ならあるニュアンスを感じるものです。ふーん。皆伝に相当する伝書が全く別ということもあります。これも「ふーん」です。

外に呼ばれて行って護身術などを教えると切紙と目録とを一緒にしたような免許を作って、「中段免許」と称して出すこともあります。これはうちでは出稽古などの場合で、正式に通っていただいている方への出し方ではないです。この免許が出ていても伝授の技が伝わっている可能性は少ないです。私のお会いした方で、基本二十一箇条も教わっていなかったのですが冬季に講習で取手だけを習って目録伝書をいただいた方もいらっしゃいました。

結論として、同じような伝書がそこにあったからといって皆同じことを習っているわけではないというのが私たちの流派なのです。ここはしっかり押さえないとうちの流派のことはわからないです。